花火
2004年8月3日友達の指令で「浴衣を着てくること」
その指令に私は悩んだ。
浴衣、持ってない。
どうしようか考えながら部活のために学校へ向かった。
「もうすぐ夏祭りやろ?」
「S君たち、いくの?」
「あー・・・たぶん」
なぜかS君の隣にいたTが答えた。
Tは、私の中学校からの好きな人だ。
「どんな格好していく?」
「さーね、皆俺には気づかないと思うよ」
S君は答えた。Tは暢気に宿題を片付けている。
ねぇ、話題に入ってきてよ。
「もし、気づいたらどうする?」
「そだね、なんかおごる!」
じゃあ、S君におごらせてやる。とか思いながら部活を終える。
「おかーさん、浴衣ないかなぁ?・・・もしくは買って〜!」
「馬鹿たれ。・・・ばあちゃんちに行けば誰かしらんとの残っとじゃなかね?」
早速、ばあちゃんに電話してみる。
「あんたのおかあさんとのあろうねぇ。探しとくけん」
ということで。
次の日、母が風呂敷包みを持ってきた。
「あんたねー・・・これはおかーさんとたいね!しかも一度も袖とおしとらんし!」
そこには二着の浴衣。
両方とも紺。
柄が違う。
一つは、菖蒲。ちらほらと赤い色が混じっている。
もう一つはチョウ。オレンジと緑が混じっている。
私は菖蒲をゆびさして「こっち」と決めた。
おばあちゃんちで着付け。
けっこうぎゅうぎゅうにされて、きつい。
T君を探すぞ、と息をまいていざ出陣。
カランコロン、と下駄を鳴らしながら友達との約束の場所へ。
結構おくれてきやがった。
カラン、コロンと二人で下駄を鳴らしながら花火大会の場所である公園へ。
山の上の公園は人だかり。
「何をたべよっか!」
「んじゃ、クレープいきまーす!」
二人でパクつきながら、探す。
「T探してるの?」
高校は違っても、中学は一緒だった友達は私の好きな人が誰なのか知っている。
「・・・違うもん」
「ばればれだよー」
ふっと夜店の明かりに顔が、見えた。
T君たちだ。同じクラスの男の子どうしかたまっている。
あ。S君もいる。
声をかけようとしたのだが。
一瞬だけ、本当に。
T君と目があった。
そこで見かけたのは一度だけだった。
何度その公園をめぐってみても彼には会えなかった。
「浴衣、見せたかったのになぁ」
ジュースを持ってごちる。
「でも、一度目があったんでしょ?」
「そりゃ、そうだけど」
「今度の部活のときにでも聞けば?」
「・・・ムリ」
まだ、しみる。
君の事、思い出す日なんてないのは 君の事忘れたときがないから。
会いたいよ、ねぇ、会いたいよ。
記憶の中の笑顔だけ優しすぎて・・・もうどうしようもない。
その指令に私は悩んだ。
浴衣、持ってない。
どうしようか考えながら部活のために学校へ向かった。
「もうすぐ夏祭りやろ?」
「S君たち、いくの?」
「あー・・・たぶん」
なぜかS君の隣にいたTが答えた。
Tは、私の中学校からの好きな人だ。
「どんな格好していく?」
「さーね、皆俺には気づかないと思うよ」
S君は答えた。Tは暢気に宿題を片付けている。
ねぇ、話題に入ってきてよ。
「もし、気づいたらどうする?」
「そだね、なんかおごる!」
じゃあ、S君におごらせてやる。とか思いながら部活を終える。
「おかーさん、浴衣ないかなぁ?・・・もしくは買って〜!」
「馬鹿たれ。・・・ばあちゃんちに行けば誰かしらんとの残っとじゃなかね?」
早速、ばあちゃんに電話してみる。
「あんたのおかあさんとのあろうねぇ。探しとくけん」
ということで。
次の日、母が風呂敷包みを持ってきた。
「あんたねー・・・これはおかーさんとたいね!しかも一度も袖とおしとらんし!」
そこには二着の浴衣。
両方とも紺。
柄が違う。
一つは、菖蒲。ちらほらと赤い色が混じっている。
もう一つはチョウ。オレンジと緑が混じっている。
私は菖蒲をゆびさして「こっち」と決めた。
おばあちゃんちで着付け。
けっこうぎゅうぎゅうにされて、きつい。
T君を探すぞ、と息をまいていざ出陣。
カランコロン、と下駄を鳴らしながら友達との約束の場所へ。
結構おくれてきやがった。
カラン、コロンと二人で下駄を鳴らしながら花火大会の場所である公園へ。
山の上の公園は人だかり。
「何をたべよっか!」
「んじゃ、クレープいきまーす!」
二人でパクつきながら、探す。
「T探してるの?」
高校は違っても、中学は一緒だった友達は私の好きな人が誰なのか知っている。
「・・・違うもん」
「ばればれだよー」
ふっと夜店の明かりに顔が、見えた。
T君たちだ。同じクラスの男の子どうしかたまっている。
あ。S君もいる。
声をかけようとしたのだが。
一瞬だけ、本当に。
T君と目があった。
そこで見かけたのは一度だけだった。
何度その公園をめぐってみても彼には会えなかった。
「浴衣、見せたかったのになぁ」
ジュースを持ってごちる。
「でも、一度目があったんでしょ?」
「そりゃ、そうだけど」
「今度の部活のときにでも聞けば?」
「・・・ムリ」
まだ、しみる。
君の事、思い出す日なんてないのは 君の事忘れたときがないから。
会いたいよ、ねぇ、会いたいよ。
記憶の中の笑顔だけ優しすぎて・・・もうどうしようもない。
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